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C++ 言語のカラクリ

Cfront の歴史資料として購入したのですが,ちょっと酷い本ですね.これが 1200 円だったら,まぁ,ギリギリ許容範囲かもしれませんが,2000 円の価値は無いでしょうね.

C++言語のカラクリ 誕生の秘密と舞台裏

前半の方は,けっこう勉強になりますし,面白いところもあります.リンク後のパッチで静的グローバルなオブジェクトのコンストラクタ/デストラクタを実現していたとか,へーと思いました.

しかし,文章がわかりくい.冗長すぎて,下手な翻訳本なのかと思うレベル.
また,記述が曖昧で,正確性や資料的価値はありません.「確か〜がそんなやり方」 「おそらく〜 だったか〜だったと思うんですけど」 とか,万事そんな感じの記述で,少なくとも技術文章や論文ではありません.エッセイというか,居酒屋でのヨタ話のレベル.本を書くんでしたら,最低限調べればわかることは調べるか,資料へのポインタを示して欲しいなと思います.

約半分を占める第6章の座談会とやらは,完全に無駄ですね.内容は,全てどこかで見たような,過去に何度も堂々めぐりしてきた議論の焼き直しばかり (「C++ は C やアセンブラを知らないと難しい」「最近の若い連中はいきなり Java とか C# から入るから云々」 とか,そういうレベル).年配のプログラマが,昔を懐かしがって回顧話に華を咲かせる場合のネタ本には良いかもしれませんが,ある程度のレベルの若い優秀なプログラマが見て参考になることはほとんど無いと思います (というか,他のもっと正確な,ちゃんと書かれた本を参考にした方が良い).

個人的には,C++ は組み込みでこそ生きる言語だと思っていて,レガシーな C 資産を,常に動く形で徐々にモダンなスタイルに書き換えていく時に最高のパフォーマンスを発揮する言語だと思っています.C++ の言語仕様は確かに難しいものもありますが,C で書かれたオレオレフレームワーク (たいてい,GLib などの劣化コピー) を読み解くよりは,標準化された抽象化のしくみやライブラリが存在する C++ の方がはるかにマシだと思います.そういう意味では,座談会とやらのメンバーが,皆 Windows のアプリケーションプログラマという時点で,発言内容にも偏りや疑問点がいろいろと感じられましたし,人選を間違っているなと思いました.

ちょっとキツイ書評になってしまいましたが,まぁまぁ面白いところもあったとは思います.本の内容を 1/3 に絞って,新書価格の 800 円で売ったら,良い本だと思います.

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カラクリといえば

今手にはいるかどうか分からないのですが、S.B. Lippman の "Iiside the C++ Object Model" の翻訳本『C++ オブジェクトモデル』がありました。
カラクリ、舞台裏としては、これが参考になりましたね。
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